| QUAD ESL-57 研究 その十二 |
前回、もったいを付けた話です。 QUAD社の 57 のサービスマニュアルを読むと、No16800(1966年3月)以前のものにQUAD 303などのアンプをを使う場合は、ハイレベルな低周波による高域ユニットの損傷を守るため、フィルター回路を加える必要がある、とあります。 これ以降のモデルには、このフィルター回路は最初から付いているとのことです。 ここに載せている固体のNo は10855 ですので、このフィルターは付いていないということです。 それで一つ謎が解けました。 信号トランスを見ると、入手した回路図とは違っていて、抵抗とセラミックコンデンサーが少ないのです。 トランスに付いている抵抗も定格から随分狂ってしまっているようですので、モディファイも含めて「全とっかえ」の必要がありそうです。 さて、今回は高域ユニットの問題・・・・色々と判らないことがあります・・・ まず、フィルムの貼られているユニットの枠に、表面がギザギザのテープが貼られている、という問題です。 ユニットは三分割されていて、中央が高域、左右二つが中域ですので、枠は縦に四本と、上下の二本、計六本です。 このうち、下の一本を除く五本に写真のようなテープが貼られています。このテープを剥がした裏側は写真のとおりカーボンで、つまり、これで高圧配電をしている、という訳です。 高圧配電は判るのですが、何故このように厚みとギザギザのあるテーブ゚を貼っているのでしょうか ? つまり、このテープの厚みの分だけ、対向するユニットの信号電極とフィルムの距離が遠くなってしまい、正常なプッシュプル構成ではなくなってしまうわけです。 これは、次のことからも明らかに意図されていることと考えられます。 トランスに付けられた C R のネットワークを見ますと、フロントとリアで素子が異なっています。 敢えて正常なプッシュプル駆動をしていない、ということです。 これとの関係は判りませんが、不思議なことがまだあります。 一つは、信号電極の位置です。 位置というと判りにくいのですが、低域ユニットでは外側に信号電極がありますが、中高域ユニットでは内側にあります。 外側にあると、フィルムと信号電極の間にユニット本体の樹脂があり、放電の防止に有利です。 何故フィルムと信号電極を内側にしたのでしょうか。 次に信号電極とフィルムの距離です。 低域ユニットでは、この距離が、およそ2mmという感じで枠板が貼られていますが、このユニットでは、枠の厚みは、わずか0.5mmほどにしか見えません。 信号電極が内側にあるみと、そして枠の厚みが薄いこと、この二つから推測できるのは、敢えてフィルムと信号との距離を近くした、ということです。 そして、この中高域ユニットへの高圧は、低域ユニットへのそれの四分の一の電圧です。 電圧は下げて能率を落とし、信号電極とフィルムとを近づけて能率を上げる・・・・一見、二律背反のようなことをしています。 この意図を推測すると、高圧電圧を下げて音を柔らかくしたい・・・すると能率が下がるので信号電極とフィルムとの距離を近付けた・・・ということなのではないでしょうか。 色々グチャグチャと書いたので判りにくくなってしまったので整理します。 1 信号電極とフィルムとの距離がフロントとリアとのユニットで異なっている。 2 ネットワークの素子がフロントとリアとのユニットで異なっている。 3 信号電極が、樹脂を隔てたユニット外側ではなく内側にある。 4 信号電極とフィルムとの距離が近い。 5 高圧電圧が低域ユニットの四分の一。 少し整理できところで最大の問題 ・ 疑問です。 果たしてこの個体はオリジナルなんだろうか ? ? ? 最初にこの疑問をいだいたのは、中高域ユニットニ給電されている高圧が低域ユニットと同じということからです。前記のとおり、回路図では、低域ユニットの四分の一のはずです。 この低い電圧の出ている線が途中で切れていて、どこにも繋がっていなかったのです。 それと、内側に貼られているギザギザのテープです。 こんな厚いものを貼って、わざわざ信号電極とフイルムとの距離をリアだけ遠くして、本来のプッシュプル構成を崩すだろうか ? ? そう思って見ると、中央の縦二本の枠には接着剤が付いていない、とか、使われている接着剤が低域ユニットに使われているものとは違う・・・・とか 何やら怪しく見えてきます。 こうなると、いくつか買って比較するしかありませんね。 昔、63系でやったように・・・ ・・・・・続く・・・・ |
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